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木(機器)も森(プラント全体)も見て
「ゼロを1にする」設計の期待と責任。
機器設計
塚田 大誉 Hirotaka Tsukada
プラント事業部 エンジニアリング部 機器技術室
2018年4月新卒入社/工学部 機械工学科卒

※インタビュー内容は取材当時のものであり、
一部現在の部署業務とは異なる場合があります。

1センチメートルの違いの大切さ。
「トラブルゼロ」の設計エンジニアに。

高さ20mの巨大なタンクの小さなボルト孔が、ピタリと一致――。外販でお客様から受注した建設プラントの構成機器を、設計通りに取り付けると本当に気持ちいいですね。大丈夫だと思いつつドキドキするのは、わずかなズレがあっても孔加工の追加作業が生じるからです。「現場の追加作業は工期を遅らせる。それをなくすのが設計の仕事だ」。初めての現場で、施工監理の現場所長に言われた言葉です。多くの人の時間や会社の利益も奪うミスを防ぐ「トラブルゼロ、の設計エンジニアになってくれ!」とのメッセージは、ずっと私の心に刻まれています。大事な気づきを得られたのは、若いうちから多様な経験を積ませよう、という育成方針のおかげです。私の入社直後から現場施工にも立ち合うようになり、「現場教育の第一世代」として期待の大きさを感じています。図面に起こした設計をカタチにしていくのは「ゼロを1にする」仕事です。間違った設計図は施工する現場のミスを招き、「間違った1」ができ上がる。ミスは絶対に現場で隠せないことを実感しましたし、図面上は問題ない寸法でも、施工の誤差でうまくいかないこともあります。隙間が狭くなっても大丈夫かどうか、1センチメートルの違いを見極める大切さも学んでいます。自分の仕事を自ら評価する厳しさが成長につながりますし、お客様から「ありがとう!」という感謝の言葉を聞けるのも光栄なこと。設計と現場施工のどちらも経験することで、木(機器)だけでなく森(プラント全体)を見るようになりました。後輩にも、その醍醐味を味わって欲しいですね。

静機器と動機器、それぞれの難しさと面白さ。
想いを重ねるコミュニケーションで顧客満足を。

3年目の今、自らが機器を設計した大手ケミカルメーカーの製造プラントで、現場工事の管理も任されています。先輩エンジニアが手がけた既存プラントをモデルに、更地からの新プラントの増設で数百基もの機器は、動かない「静機器」とポンプなどの「動機器」に分けて業務を進めます。静機器はスケールの大きなタンクなどにデッキや階段などをどこにどう取り付けるか、ボルト1本の強度、サイズ、材質もしっかり見極める難しさがあります。また動機器は、動く分だけ耐久性などの検討が増えますし、操作性の良さや周囲の配管と干渉が生じない全体の配置も考えながら設計します。その仕様で、本当に取り付けが可能か、使いやすいのか。機器を据え付ける土台をつくる土建設計や機器とつながる配管や計装の設計エンジニアと、限られた空間を最適にする調整も重ねます。土建とは、ボルトを打つところには鉄筋を入れないように、配管には、タンクに取り付けるサイズや規格が合っているか、などが多いですね。機器の選定も、お客様の仕様リストに基づいてコスト面も含めて確認を取るコミュニケーションが必要ですし、より良い選択肢の提案も大事です。経験が浅い私にはどれも難しいことですが、だからこそ面白いしやりがいがあります。機器設計エンジニアなら避けては通れない「宿命」と呼べる仕事ですし、逆に言えば、そこがちゃんとできていれば現場で問題なく施工でき、お客様にも満足いただける、ということ。機器設計のポジションだけで成り立たないのがプラント建設。互いの想いを重ねていく人のつながりは、自分の成長にもつながっているのを感じています。

自分なりの設計思想を描き出す挑戦。
機器設計はこれからも、なくてはならない仕事。

新プラントの増設は、生産量を増やすだけでなく「操作性をもっと良くしたい」というお客様のニーズに応えることがミッションです。作るモノ、作る人のアクセス性を高め、しかも安全第一でリスクが高まらず、保守メンテナンスもしやすく長く使い続けられるように、自分なりの設計思想を図面に描き出しました。それは、プラント内の動きをどれだけ自分のものにできるか、の挑戦でしたね。8ヵ月間に及んだ現場管理も無事に終え、夏の暑い日も冬の寒風にも負けず、人間的にも成長できた実感があります。設計はオフィス仕事のイメージですが、外へと飛び出す現場仕事にも活躍シーンがある、と想いを新たにしました。自分が設計し現場で立ち上げた新プラントがこれから本格稼働していくのが楽しみですし、もっといろんなプラントづくりを経験したいですね。静機器も動機器のどちらも知識も高め、配管や計装にも機械的な知見を広げて、現場工事の経験も重ねることで、プラントエンジニアとしてのキャリアを高めていけたら、と。プラントもIoTで通信的な環境に劇的な進化が生まれ、どこにいても現場の遠隔操作が可能になっています。ただ、時代とともに運用管理の仕方は変わっても、プラントを構成する機器は不可欠な存在ですし、機器設計もなくてはならない仕事。まずは機器設計のプロジェクトリーダーになり、さらにプロジェクトエンジニアとして、お客様と一緒にプラント建設プロジェクト全体を動かしていく存在になっていきたいですね。そのためにも、これからもっと「木を見て、森も見る」エンジニアになっていきます。

My Decision
入社の決め手

就活を始める時、「イキイキワクワクする仕事がしたい」と思っていました。会社説明会でリクルーターの先輩社員がまさにその姿で、明るくて元気。そして、どの会社よりも群を抜いて真摯に私と向き合い、接してくれました。会う時もメールの文面も気遣いに溢れていて、適確なアドバイスもくれる。会社を代表する顔であるリクルーターが信頼できるなら入社後も大丈夫、と実感できました。人間関係って、仕事の内容と同じくらい大事なことですし、実際に、面白い先輩や面倒見の良い上司ばかりでした。いま、私自身がリクルーターを任されるようになって、一番に伝えたいのはやはり「イキイキワクワク」して働ける魅力です。人とつながる仕事がしたい、大きなものをつくりたい、より高い達成感を味わいたい。そこに重きを置く人には、自信を持って言いたいですね。コベルコE&Mなら、若いうちから実現できるよ、と。私自身が経験してきたことですから。

The Spirit
この仕事の真髄

プラント建設は設計から現場工事を完了するまで、期間が長くじっくり仕事ができる。そのイメージは入社前からありましたが、その醍醐味は想像以上だったと感じています。短期間でより多くのものをつくることよりも、私にとっては時間をかけていろんなワークを積み上げる仕事の方が、達成感は大きいですね。一品一様のプラントをつくり上げていくので飽きることがないし、達成感も案件それぞれに味わいが違うのも魅力です。しかも、その達成感を若手の頃から実感させてもらい、育成してくれる環境も整っているので、何事も自分次第でどんどん学び、チャレンジしていけるチャンスがあります。プラントは完成後も長く使い続けられていくものですし、将来いつの日か再び訪れた時に、がんばっていた自分の姿がパッと蘇ってくる瞬間を、いまから楽しみにしています。