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人間に例えたら、計装は「五感と神経」。
いつも、最適なコントロールを。
計装・電気設計
三木 優也 Yuya Miki
プラント事業部 エンジニアリング部 計電技術室
2016年4月新卒入社/理工学部 電気電子工学科卒

じっくり学べる、充実した新人研修。
「いい準備」が「いい仕事」の秘訣。

こんなに少人数でつくるのは、凄いな――。入社直後に見学した巨大プラントの計装アイテムは、想像以上に複雑で「自分にできるかな?」と少し不安になりました。ただ、もっと驚いたのは充実した4ヶ月間の新人研修です。計装・電気の基礎知識から3DCADの使い方、プログラミングまで、じっくり学んでから案件に携わることができました。OJTも、先輩ブラザーは指示内容をそつなくこなすことより、安易に誰かに頼らず自分で考え、答えを見つけ出す指導をしてくれました。計装・電気室の勉強会も知識を磨き、多くの先輩エンジニアに溶け込むいい機会でしたね。もちろん、実際のプラントはそれぞれに計装機器の数や種類も違います。ブラザーと一緒に初めて計装設計を担当し、現場工事に携わったのは石油化学プラント。計測・制御する計装アイテムは、流量が多いから調節弁でコントロールする、という単純なものは少なく、Aの時はBに制御し、CならDに…と、日々の細かな生産業務フローに合わせる一品一様の難しさがあります。また、土建や機器、配管など他部署の設計エンジニアとの調整も大事です。機器のどこに計装アイテムを配置するか、配管全体の流体の圧力や物性、流量をどう制御するのか。一つひとつの情報を確認、共有しないと、仕様を決めて詳細設計図を書くことはできません。現場でも、基礎をつくり機器が据え付けられ配管が通ってから、計装工事が始まります。設計はオフィスでスーツ、現場では作業着と姿は変わっても、前工程と「いい準備」をすることが、「いい仕事」をする秘訣だと実感しています。

反省から工夫した「三木流」の管理手法。
1000台のループ試験も「自分で考える」を実践。

いつも心がけているのは「より分かりやすく、スピーディーに」です。資料は立体的な3D設計データで見やすく、メールも一旦送って情報を共有した後なら説明がスムーズになります。実は初のプラントで計装機器メーカーにうまく図面の修正指示ができず、何度もやりとりを重ねて修正期間が長引いてしまいました。その反省から自分なりに工夫するようになりましたし、改善につなげたのが2つ目に手がけたケミカルプラントです。40億円規模で、金額も計装アイテム数も4倍近い大型案件で、サーバに記録するデータも膨大になるので、誰が見てもすぐに分かる「三木流」の管理手法を編み出しました。図面データは絶えず改訂版を作りブラッシュアップしていきます。お客様のコメントや私がメーカーに指示した内容を時系列に整理し、いつ何が起きて、どう変わったのかを一目瞭然にしました。上司も「分かりやすいね!」と言ってくれましたし、私もチェックの見落としが減り、仕事の質を落とさずに楽になりました。設計も現場工事も終えて、最後のループ試験も短期間で完了できました。オペレーターが計器を監視する制御室と、現場の計測表示が合っているか、配線も間違いないか…。1000台を超える計装アイテムを1台ずつチェックするのは時間がかかります。前工程が遅れ与えられた時間が減るなかで、計装工事が終わったアイテムから順にループ試験を実施して、工期を守ることができました。現場のリアルな進捗情報をスピーディーに確認し、うまくスケジュールを組むことができたのは、新人の時から「自分で考える」力を育ててもらったおかげでしょうね。

計装設計の集大成をしっかりやり遂げ、
電気・制御設計の「次なるステージ」へ。

2つのプラントを経験して、今さらに巨大なプラントの計装設計を任されています。大手ガラスメーカーのポリマーなど樹脂原料から製品化する新プラントで総工費は70億円、2年間を超えるビッグプロジェクトです。見積もりを始めてから1年が過ぎ、詳細設計が現在進行形で進み、計装工事が始まれば現場工事の監督も務めることになると思います。計装アイテム数が1500台を超えるだけでなく、酸素分析計や硫酸濃度計など初めて扱うアイテムも多く、資料を読み込み計装機器メーカーにも相談して、「この機種を、こう使いましょう!」とより良い提案につなげています。調節弁で制御できる流量の幅も、お客様が想定する流量データに基づいて口径を上げた方がいいと考え、予めサイズなどの選択肢を作り、お客様が選ぶだけで済むようにしました。「どうですか?」ではなく「どれが最適ですか?」と具体的にすることで、より正確でスピーディーな確認ができます。プラントを人間の身体に例えるなら、配管は動脈で、計装アイテムは五感と神経です。過敏でも鈍感でもなく正確に計測し、止める、動かすなど、いつも最適にコントロールできるように。私にとって3つ目のプラントは「計装設計の集大成」。しっかりとやり遂げて計装をマスターし、電気設計や制御設計など、次なるステージへ進んでいく決意です。規模も技術も業種の種類もたくさんあるプラント設計に、ゴールがありません。第三種主任技術者資格も取得して、ゆくゆくはプラント全体に携わるプロジェクトマネジャーも目指していきたいと思っています。

My Decision
入社の決め手

学生時代は電動機メカや電気数学など電気系全般や情報系を広く学びました。その知識を活かせる仕事をと就活し、神戸や加古川など勤務地が地元に近く、子どもの頃から身近で大きな存在だった「神鋼」ブランドなら経営が安定し人生設計もしやすい、と入社を決めました。内定が決まった時は嬉しかったですね。自分の書いた図面がカタチになる設計エンジニアは楽しいし、コベルコE&Mは設計から現地工事まで、ものづくりの始まりから終わりまで携われる魅力もあります。いろんな人とコミュニケーションを取り、チームで協力して仕事をするのが好きな私には、職場の風土も合っています。和気あいあいとしながらも、スケジュールや約束はきちんと守り、ピシッと締める時は締める。仕事終わりに食事に行く時もプラント完成後の達成感も、みんながいるから喜びも大きくなる。そんなチームワークが楽しいと思える人とぜひ、一緒に仕事をしたいですね。

The Spirit
この仕事の真髄

計装アイテムって面白いんですよ。流量計もいろんなタイプがあって流れるものによって適性があり、仕様に基づいて値段や精度を使い分ける必要もあります。また、「そういうものがあるんだ!」という新たな発見がたくさんあります。こんな流量の測り方もあるのか、と驚いたのが「渦流量計」です。配管の中の棒にできる渦の周波数で流量がわかり、精度も高い。回転座標軸上の慣性力「コリオリ力」を利用する流量計も、初めて知りました。北半球と南半球で発生する台風の渦の回転方向が違うのは、地球の自転に働くコリオリ力の仕業です。高価ですが精度も良く、ぜひ使いたいアイテムの一つですね。多種多様で組み合わせも無限大に感じる面白さと、そこから自分が一つを選び出す楽しみ。一人前の計装設計エンジニアは必ず味わうものですし、一人前になるまでのプロセスも面白いって、実は大事なことだと改めて実感しています。